子どもの膝の痛み「オスグッド・シュラッター病」ってなに?
オスグッド・シュラッター病(以下、オスグッド病と称します)は、膝のお皿の下の骨に発生する、成長期特有のスポーツ障害です。ジャンプやダッシュ、キック動作などを繰り返すことで、膝蓋腱を介した牽引力が成長途中の骨に過度に加わり、痛みや腫れが生じます。
この症状は「骨端症」と呼ばれる、成長期の子どもの骨にみられる疾病のひとつです。
なぜ成長期に多い?オスグッド病が起こる3つの理由
オスグッド病は、成長期に体が急に大きくなることと、スポーツによる膝への負担が重なって起こります。
成長期の中でも、PHA(ピーク・ハイト・ベロシティ)と呼ばれる、身長が一気に伸びる時期の前後は特に注意が必要です。このPHAですが、男子は12~14歳、女子は10~12歳ごろと言われています。
この時期は、骨が急激に伸びる一方で、筋肉や腱の成長や柔らかさが追いつきにくく、太ももの前の筋肉が硬くなりやすくなります。
太ももの前の筋肉は、膝のお皿の下の骨につながっています。
そのため、走る・跳ぶ・蹴るといった動作を繰り返すと、ももの筋肉が膝のお皿の下の骨を強く引っ張り続けることになります。
この部分の骨はまだ成長途中で弱く柔らかいため、そこに繰り返し引っ張る力が加わることで炎症が起こり、痛みや腫れが出てきます。
さらに、
- 練習量が多い
- 強度の高い練習が続く
- 休養や回復の時間が足りない
といった状況が重なると、オスグッド病を発症しやすくなります。
オスグッド・シュラッター病は、
「急な身長の伸び」+「筋肉の硬さ」+「繰り返される運動」
が重なって起こる、成長期ならではの膝のトラブルです。
早期発見、早期治療が大切です。
オスグッド・シュラッター病の治療の基本は、患部の安静です。
練習量や強度が多いままだと、炎症や痛みが残り続けてしまいます。なのでまずはその炎症を抑えるために運動を中断、または運動量の調節をしていくことが大切です。
初期の症状であれば患部の安静で多くの場合軽快していきます。
治療においては、
- 患部の炎症を抑える
- 筋肉の緊張を和らげる
- 骨への引っ張る力を減らす
といったことが重要になります。
また、前述の通り早期発見・早期治療がとても重要です。
痛みが軽いうちから適切な対応を行うことで、症状の悪化や長期化を防ぐことができます。
運動をつづけながら改善を目指す当院のオスグッド治療
当院では、痛みの改善と再発予防の両面から治療を行っています。
- 筋肉の緊張・炎症へのアプローチ
・鍼治療や電気治療により、太ももや膝周囲の筋肉の緊張を緩和します
・超音波治療器を用いて、患部の炎症を抑え、回復を促します
- 練習量・負荷の調整と治療計画
症状や成長段階を踏まえ、
・練習量や運動負荷の調整
・大会や目標に合わせた治療計画
・自宅でやっていただくセルフケア、ストレッチの紹介
について、本人・保護者の方と相談しながら進めていきます。
- エコー(超音波)検査
エコー検査を用いて、患部の状態を確認し、症状の把握や回復の目安として活用しています。
保護者の方へ - 早めの対応がとても大切です
オスグッド病で注意したいのは、思っているよりも早く進行してしまうという点です。
オスグッド病は、経過によって「初期」「進行期」「末期」の3段階に分けられます。
- ・初期:発症から1か月以内
- ・進行期:1か月~3か月以内
- ・末期:3か月以降
特に末期まで進行すると、膝のお皿の下の骨が骨性に治癒しない状態になります。これは、骨の一部が変化したまま残り、長期間にわたって痛みや違和感が続く可能性がある状態を指します。
このように症状が長く残ったものは「遺残性オスグッド病」と呼ばれ、状態によっては手術が検討されることもあります。
すべてのお子さまがそこまで進行するわけではありませんが、痛みを我慢したまま練習を続けてしまうことが、回復を長引かせる原因になってしまいます。
逆にこの症状は、初期や進行期の早い段階で適切に対応すれば、治るのに決して難しいケガではありません。
「少し痛いだけ」「そのうち治るだろう」と様子を見続けるのではなく、
痛みが続く場合は早めに受診し、状態を確認することが、お子さまの将来のスポーツ生活を守ることにつながります。
お子さまの膝の痛みは、身体からの大切なサインです。
気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。


