手根管ってなに?どんな組織?
手根管とは、手首の中にある「トンネル」のような構造のことを指します。手首には小さな骨が並んでいて、その上を屈筋支帯という靭帯が覆うことでトンネルが作られています。この中を、指を動かすための腱や、親指から薬指の一部にかけての感覚をつかさどる「正中神経」が通っています。
このトンネルはとても狭いため、何らかの原因で中の圧力が高くなると、神経が圧迫されやすいという特徴があります。
手根管症候群ってどんな症状?
手根管症候群とは、この手根管の中で正中神経が圧迫されることで起こる症状です。代表的な症状としては、親指・人差し指・中指にかけてのしびれや痛みがあります。特に夜間や朝方に症状が強く出やすく、「手を振ると楽になる」という方も多いのが特徴です。進行すると、親指に力が入りにくくなり、細かい作業がしづらくなることもあります。
日常生活では、以下のような動作で不便を感じることが増えてきます。
・ペットボトルのフタを開ける
・ボタンをかける
・スマートフォンを長時間持つ
・フライパンや鍋を持つ
・タオルを絞る
また、簡単に確認できるサインとして以下のようなものがあります。
・チネル徴候
手首の手のひら側を軽く叩いたときに、指先にビリっとしたしびれが走る反応です。神経が過敏になっているサインとされています。
・ティアドロップサイン
親指と人差し指で丸を作ろうとしたときに、きれいな円にならず涙のしずくのような形になる状態です。これは親指の筋力低下が起きているサインの一つです。
・ファーレンテスト陽性
両手首を直角に曲げて手の甲を合わせて圧迫し、指先に痺れが出るか調べるテストです。
1分以内に痺れが出現、悪化すれば陽性とし、手根管症候群を疑います。
手の負担を減らす|手根管症候群を治すために考えること
まず大切なのは、手首への負担を減らすことです。無理に使い続けると、神経への圧迫が強くなり症状が悪化してしまうことがあります。
具体的には、
・手首を反らせた状態を長時間続けない
・スマートフォンやパソコンの使い方を見直す
・重いものを持つ機会を減らす
といった日常生活の工夫が重要になります。
また、サポーターなどで手首を安定させることで、手根管内の圧力を下げる効果も期待できます。
当院での治療法
当院では、手首だけでなく腕の筋肉の緊張をとったり、神経への圧迫を減らす施術を行うことで、症状の改善を目指していきます。状態に応じてセルフケアやストレッチの指導も行い、再発しにくい状態づくりをサポートします。
■ エコー検査
炎症や腫れの状態をその場で確認できます。
目で見て状態を把握できるため、安心して治療を受けていただけます。
■炎症を抑える治療
鍼・超音波・電気などの物理療法機器を使い患部の炎症を抑え組織の修復を促します。
■ サポーターの処方
症状に応じて、患部に負担をかけないようにするためのサポーターのご提案・処方も可能です。
■治療計画の相談
日常生活やお仕事などでやっていいことや控えてほしいことなど過ごし方の説明、提案をいたします。
手根管症候群とよく似た症状
・ド・ケルバン病
いわゆる「腱鞘炎(けんしょうえん)」と呼ばれる症状のひとつで、親指を動かす腱が通るトンネル(腱鞘:けんしょう)が腫れて炎症を起こすことで生じる痛みのことです。
手首の親指側が腫れたり、ズキッと痛んだりするのが特徴です。
・ばね指
指の骨のところには筋肉の腱が通る腱鞘(けんしょう)というトンネルのようなものがあります。
腱が腫れて肥厚しこの腱鞘で引っかかることにより痛みや特有の引っかかり、指が曲がったまま戻ってこないなどの症状が出ます。
ド・ケルバン病と同じ「腱鞘炎」と呼ばれる症状のひとつになります。
・母指CM関節症
親指の付け根にあるCM関節という関節の炎症です。
ドケルバン病と痛む場所が近く、こちらもよく間違われる症状です。
・TFCC損傷
手首の小指側の関節にあるTFCC(三角繊維軟骨複合体)という靭帯の症状です。
ドアノブをひねる動きやタオルをしぼる動作で痛みが出てきたり、手首を小指側に倒すと痛みが出てきます。
まずはご相談ください
手根管症候群は、早めにケアを行うことで症状の改善が期待できる症状です。しびれや痛みを我慢して使い続けてしまうと、回復に時間がかかるケースも少なくありません。
「最近、親指や指先の違和感が気になる」「細かい作業がしづらくなってきた」と感じている方は、そのままにせず一度ご相談ください。早めの対応が、日常生活を快適に保つ大きな一歩になります。


