院長の柳原です。突然ですが皆さんは、腰痛の原因に対して「骨が変形しているから」「腹筋が弱いから」といったイメージをお持ちではないでしょうか?
今回のブログでは、世界的に権威のあるスポーツ医学雑誌『British Journal of Sports Medicine (BJSM)』に2019年に掲載された、**ピーター・オサリバン教授(Professor Peter O’Sullivan)**らによる論文「Back to Basics: 10 facts about low back pain」では、これまでの常識を覆す事実が示されています。
この論文に基づいた、腰痛に悩むすべての方に知ってほしい「10の新常識」を解説します。
1. 長引く腰痛は怖く感じるかもしれませんが、危険なことは稀です
(Persistent back pain can be scary, but it’s rarely dangerous)
腰痛で動けなくなると不安になりますが、命に関わるような深刻な原因があることは極めて稀です。車椅子生活になることを恐れる必要はありません。実際の臨床現場で痛み自体が恐怖となりそれがまた痛みを引き起こし負の連鎖に落ちいている患者様に遭遇します。この場合、症状自体をしっかり理解してもらうことが非常に重要と考えています。
2. 加齢は腰痛の直接的な原因ではありません
(Getting older is not a cause of back pain)
「歳だから痛い」という考えに根拠はありません。最新の治療や運動によって、どの年齢層の方でも改善が期待できます。実際当院でも「年だから、、、」というお声は伺います。年齢に関係なく腰痛の改善は見込めます!
3. 長引く腰痛が「深刻な組織の損傷」と関連していることは稀です
(Persistent back pain is rarely associated with serious tissue damage)
体は通常3ヶ月以内に治癒します。それ以降も続く痛みは、組織の傷ではなく、ストレスや疲労、運動不足など他の要因が体を「敏感」にさせていることが多いのです。前回のブログでもお伝えしたイエローフラッグと呼ばれるストレスなどの心理社会的要因で腰痛を発症するケースも少なからず遭遇します。
4. 画像検査で腰痛の原因がわかることは滅多にありません
(Scans rarely show the cause of back pain)
MRIなどで見つかる「椎間板の変性」などは、痛みがない健康な人にもよく見られます。。無症候性(実際に症状がない)の60代や70代でもMRI画像ではヘルニアや脊柱管の狭窄が画像で現れると研究データもあります。
画像の結果がすべてではないという事ですね!
5. 運動時の痛み = 「体が傷ついている」ではありません
(Pain with exercise and movement doesn’t mean you are doing harm)
動かして痛むのは、体が過敏になっているサインであり、損傷を意味しません。**「痛くても安全(Sore but safe)」**と考え、徐々に動くことが回復の鍵です。当院でも医学的所見をとり安全をしっかり確認した上で積極的に運動しましょうとお伝えしています。院で行っているメディカルフィットネスもその一環です。
6. 腰痛は「悪い姿勢」で起こるものではありません
(Back pain is not caused by poor posture)
猫背などの特定の姿勢が腰痛の原因という証拠はありません。むしろ、リラックスして様々な姿勢をとることの方が大切です。これに関しては不良姿勢が腰痛となっているという研究者や論文も多数存在するので一概に言えませんが、「姿勢が悪いから腰が痛いんだ、、、、」と思い込みすぎないのが大事だと考えています。
7. 腰痛は「体幹(コア)の弱さ」が原因ではありません
(Back pain is not caused by a ‘weak core’)
腹筋を固めすぎて動くことは、かえって回復を妨げます。大切なのは、体幹をリラックスさせて自然に動かせるようになることです。10数年前から「体幹」と言う言葉が一般的となり体幹重要!となってますが、最近ではそれがすべてではないということも明らかになっています。
8. 腰は毎日の負荷で「すり減る」ことはありません
(Backs do not wear out with everyday loading and bending)
重いものを持ったり曲げたりする動作は、徐々に慣らしていけば、むしろ腰を強く、健康にしてくれます。これに関してはプランニングが重要だと考えています。
腰痛に対してこれはやってはダメ、ここまでOKというようなアドバイスをするのも私たちの大事な仕事だと思っています。
9. 痛みの「ぶり返し」は、体が傷ついたわけではありません
(Pain flare-ups don’t mean you are damaging yourself)
急に痛みが強くなることはありますが、それは再負傷ではなく、睡眠不足やストレスなどが原因であることが多いです。冷静に、動き続けることが大切です。
初診時どのような生活を送っているか聞くことがありますが、時々慢性的な睡眠不足や過度な飲酒など聴取することがあります、、体にストレスのかかる生活を見直すことが腰痛改善の第一歩となる可能性があります。
10. 注射や手術、強い薬は、根本的な解決にならないことが多い
(Injections, surgery and strong drugs usually aren’t a cure)
長引く腰痛に対して、これらは長期的にはあまり効果的ではないことが示されています。自分自身で体を管理する方法を見つけることが、最も効果的です。これはなんとなく多くの患者さんも理解していると考えています。腰痛に限らず多くの運動器疾患で運動療法の有効性が締めせれています。
運動療法自体が一朝一夕で症状を改善するものではありませんが、当院でも患者様のサポートしながら積極的な運動療法を行っています。
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いかがでしたでしょうか?
腰痛は決して「一生付き合わなければならないもの」ではありません。ピーター・オサリバン教授らの研究が示す通り、正しい知識を持ち、適切に体を動かしていくことで腰痛に悩まされない健やかな日々が送れると考えています。
やなはら針灸整骨院 院長 柳原晃平


